「心霊研究」
1998年4,5月号掲載

 

 

          類魂論の考察 類魂論のモデル化


 

【1】類魂論のモデル化



       *始めに*


この文章は心霊現象を科学的に探究してみたいというひとつの野望の現れであります。

1960年にフランスのルネ・トムという数学者がカタストロフィ−理論を創始しました。これは主に、社会現象の科学的説明に用いられている理論ですが、

私は心霊の仕組みをこの理論によってモデル化してみょうと考えたのです。今のところ私達は心霊現象を定量化し、科学的デ−タを求めるということは出来ませんが

しかし、心霊に対し何らかの定性的に不変なものを見出すことができるのです。それが1980年以降に小山順司氏が「心霊研究」に発表された『類魂』です。

一般に科学と言うと定量化出来なければなりません 1.4 とか、40  とか実数で値が示されることです。それに対し定性的不変量というものがあります。

これは数の順序構造のことで、AはBより大きい、イはロより右にある、等の様に、実数で示されていなくても物事の違いがはっきり区別出来ることです。

(しかしながら、最終的には実数値によるデ−タが必要となってくるのですが、今は、それは叶わないので小山氏の類魂論を一般化します) 

私の観たところでは、小山氏の『類魂』がこのカタストロフィ−理論に、驚く程、合致するのであります。言い訳になりますが、私は大学を出ておりません。

ですから論文と言うものを書いた事も有りませんので、どの様に進めると良いのかまったく判らない状況です。只、素直に『類魂』とカタストロフィ−理論を心の中で一つにし、

そして、心霊学の守護神、八意思兼神に祈りつつ進めて行こうと思います。

 
まずモデル化の始めとして、問題になっている現象とは何かです。心霊科学というけれど、心霊現象とは如何なるものか定義出来るでしょうか?

“霊によって起こる現象”という答えでは科学になりません。きちんと検証された仮定が必要です。心霊現象と一般現象の違いがはっきりし無いことが、

霊魂の存在が証明出来ない理由の一つであると思います。小山氏の類魂論を、以後『類魂』ということにします。『類魂』を一読して判ることは、

類魂と言うものの活動の舞台が人間であるということです。人間という現象は類魂によって成る、そして人間は神という高級霊と鉱物に宿る物霊との接点であると述べられています。

つまり人間がここで問題となるべき現象であるといえます。そこで、人間という現象を『類魂』に基づいて“数”にしてみました。順序構造を考える訳です。

地球大霊が起こす現象は天地創造でしょうが、人間が起こす現象は身体を使い行動することです。この行動の尺度を本文では、全機性と言っています。

小山先生が好くお話なさっていらっしゃる奉仕のことです。この奉仕の行動を*全機性の手掛かり*のところで、数直線にしまます。

とにかく、物事に順番を付けて数にしてしまうということが、科学の事始めの様です。そしてその行動は縦の類魂と横の類魂によって変化して行きます。

本文では縦の類魂からの業を選択性と言っていますが、これは単なる業と言う意味では無くて、より肯定的な意味を持たされた仕組み(機能)としての業で、

ただ消す為だけのものでは無いと言う事のようです。






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