ゆるせない心が変わるとき


憎しみや、怒りを感じている只中でも、人はつねに許しを求めています。

中々許せない時と言うのは、過去に縛られているときです。

もう引き返せない過去をどうにかしたい、でもどうにもならないから、恨むのです。

許せない気持ちを抱いて、今現在もどれだけの人が苦しんでいるのでしょうか。

許すことができれば、相手も自分も楽になるのに、と理屈では分かっていても、

意地やエゴがあって中々出来ません。相手が悪いから、先ず相手が謝らないと許せない、

と考えてしまいます。でもどんな場合も相手にも言い分があります。

スピリチュアルの導きは、

「相手は、魂の鏡。自分の姿を投影している」

「相手が醜く感じるときは、自分も醜い姿になっている。その哀れな姿の自分を憎んでどうするんだい?」


こんな体験をしたことがあります、

二十年以上前のことです。その時は5階立てのアパートの4階部分に住んでいましたが、

下の階の人が神経質な方で、いつも私の足音がうるさいと文句を言ってきました。

私は、そのころから足が悪かったので、気をつけてはいたのですが、

健常者のように忍び足で歩くことが出来ませんでした。

毎日のように無理な文句を言ってくる下の住人が大嫌いになり、何時のまにか恨むようになりました。

「早く引っ越してほしい。でなければ足の怪我でもしたら私の大変さが分かる」と祈るようになりました。

あるとき、救急車が止まり、下の階に入りました。その住人が急病で倒れたようでした。

数日後、近所の人から「脳内出血で倒れて、しばらく入院するんだって」と聞きました。

私は、大変後悔しました。もしかすると私の念のせいで倒れたのかも知れないと思ったのです。

後悔するなら、初めから呪わなければ良かったのです。

その人は、退院してきましたが、私よりも重度になっていました。

私は、この時以来、人を恨むことは辞めました。時間の無駄であるということを学びました。











   
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