「心霊研究」1998年4,5月号掲載

          類魂論の考察

 

【3】類魂論のカタストロフィ−理論による考察

ここでは、地球や宇宙の類魂のカタストロフィ−を考えながら、物霊や人間の役割に付いて明らかにして行きます。

 

   *誕生した初期の頃の地球大霊のカタストロフィ−*

地球創世の初期に於ける物質界と幽界の形成及び、類魂の浄化に付いて考えて見ましょう。

 
人間を行動変数xとしたカタストロフィ−の平常要因である横の類魂、つまり人の現象の範囲は人間社会全体、国家や民族あるいは、文化や歴史等の二義的なものも含まれます。

同様に地球大霊の横の類魂を考えると、この地球全体の霊的存在(近傍を認めたカタストロフィ−多様体)が現象の範囲となります。その選択性は、地球が出来る以前の宇宙の業となります。

では地球大霊の行動変数xとはどの様な事でしょう。地震や天候などの自然現象とは違います。これ等はあくまでも物理現象なのです。

「いや、それは竜神様がなさっているのだ。」とお考えの方もおいでの事と思いますが、それは霊的と物理的とを混同しているからです。

心霊研究ではこの霊的と物理的を区別する事が重要なポイントです。


(筆者記、一言で言い切る事(言明)が理論を進める上で大切な事ですが、地球の行動変数xが好く判りません。言葉が思い浮かば無いのです)

 
そこで地球が誕生した時の事を考えます。地球が出来た始めの頃は、大きな大きな岩の塊でした。岩、岩、岩…、…、で、岩と言う業だけが物凄い量集まって居たのです。

前章でお話しましたが、業は細胞が増殖する様に同じ業だけが増える性質があります。これは選択性が働く為ですが、業が集まり過ぎると守護霊と自己の間の全機性が障害されて

さらに選択性が強くなります。


 地球は始め大きな岩の塊でした、その為に選択性が働いてそれと相対する業が形成されて行くのです。それが幽界です。地球大霊の中で選択性が働くと現象は、物質界と幽界に分裂するのです。

選択性が働くと業情報を限られた範囲で処理しなければ成りません。ですから、物質現象が起こると言う事は、自己の中で物質現象=過小状態の所にだけ注意が向けられる事になり、

他の類魂は無視される事になるので、これは無視した類魂に対して「借り」を作ると言う意味を持ちます。


 物質界が形成されるには、物質現象として現れていないより多くの横の類魂からの「借り」によって成されるのです。

この「借り」を物質界に対し幽界と考えます。人間に当てはめると「徳」 になります。

 

図13は地球大霊のカタストロフィ−のグラフです。

地球大霊は、地球が誕生した周りに在った沢山の低級な横の類魂(岩石達のこと)を取り込んで統一し、みんなイからロの状態に持って行きたいのです


(地球大霊にとってこれは宇宙への奉仕です)イ
ロの道のりは選択性が働か無い滑らかなコ−スで、常に大霊への統一が成されている状態です。

始めの段階では低級な横の類魂達は大きな岩の塊だけの物質界を作る事しか出来ません。つまりハに向かうのです。

又それと同時に宇宙の高級な横の類魂からの「借り」(徳を貰う、物から見ると徳は借りになる)が幽界を創りニに向かいます。

この様にして地球大霊に選択性が働いて物質界と幽界が形成されるのです。でもこのままでは物は物、幽は幽とただ果てし無く増大するだけで、ロの状態に類魂達を持って来る事は出来ません。

ロに持って来るにはどうすると良いのでしょう?それはカタストロフィ−・ジャンプするαの道のりを辿ると良いのです。


 地球の創造が一段落すると、もう岩が集中して集まって来る事は無く成るので物質界はこれ以上増えませんが、選択性が強く働いているので幽界の方は、増大します。

そこでハからニに一気にジャンプして、幽界の方が物質界よりも断然大きく成ってしまうのです。


 この時の地球の幽界は宇宙からの「借り」の塊なのですから、地球はこの「借り」が大きくなったと同時に、それを返さなければ成りません。

岩の塊でしかない地球がその借りを返す方法は、やはりその身を削る事でしょう。それが天地創造と言われるものです。

地殻変動が地表にひびを入れ、地球内部から出てきた水蒸気が海を作って大規模な浸食を行い、正にその身を削って借りを返すわけです


(「借り」の返し方は、太陽系の他の星や宇宙全体との関わりが在って複雑なので、簡単な説明にしました)

その様にして長い時間かけて、「借り」を返すことを繰り返して行くと、徐々に選択性が弱くなり類魂達はニからロに向かう事が出来て、イ→ハ→ニ→ロというαの道のりが完成して、

イの状態に在った未発達な類魂達は何とかロに辿り着いて地球大霊に統一されるのです。

始め地球は、ハ=物質界とニ=幽界に分裂しその後イ→ハ→ニ→ロの道のりが出来上がるともう、宇宙から徳を借りる必要は無くなるので地球大霊は自力で類魂達を浄化して行く事に成ります。

 

この図14は図11の、下の方のa軸とb軸に囲まれた面で、コントロ−ル平面と言います。

これは曲面Gが投影されて出来たもので、カタストロフィ−を説明するときにGを一々描くのは面倒なので、このコントロ−ル平面を使う事が多いのです。

図15は1980年 3月号の『類魂』第2図を上下ひっくり返したものですが、これは現在の地球大霊のコントロ−ル平面と考えられます。

 

この図から判る事を少し説明します。これには二つの極大が在って、鉱物霊と地球神ですが宇宙同様に地球もおくれの法則が強く働いて居るのでこの二つの極大が交わる事は難しいのです。

どうしても鉱物霊が地球神の所へ行きたい、つまり『類魂』第2図のド−ナツの穴を越えようとするなら、その身を滅ぼして幽に帰るしか無いのです。

しかしその度に滅んでいたのでは、地球は何時までも地殻変動が激しく混沌とした時代を繰り返すだけです。


そこで小山先生の言う転化です。転化は地球を滅ぼさないためのシステムなのです。転化は相手を利用して上げる事で徳を与えるものです。

鉱物の様な魂の小さな類魂は、量は多いけれども、業の種類は少ないので自ら行動して徳を増やせ無いので自分の身体を犠牲にして奉仕する、つまり人間に利用される事で徳が増えて行きますが、

その分の業は人間に向かってしまいます。それが転化です。また更に人間も神に利用されて徳が貰えます。と言う事はこのグラフの極大は神に向かっているのです。

これは一つの極大を目指すので、マックスウエルの法則となります。人間は今のところ、物質進化の最終点と言えるのでそれだけ多くの業情報を持たされて居ます。

その為に人間は自らが選択性を働かせて大霊の意志(奉仕)を行う事が出来るのです。だらこそ、人間がその役目を果たす限り地球は滅び無いでしょう。


 動物や植物等の未発達の類魂達は地球大霊のおくれの法則に従って生きて居るので、その限りに於いて、自力で救われる事は困難なのです。

そこで人間のカタストロフィ−の中に入り人間の選択性によって転化される事で、より速やかに神に統一されると言うシステムがこの地球には出来上がっているのです。


ここで仮定をきちんと述べて置きましょう。地球大霊の行動変数xのカタストロフィ−は、取り込んだ横の類魂bを平常要因とし、

その選択性aを分裂要因とするカスプのカタストロフィ−で与えられる。その時、人の場合の、過小状態の領域が物質界に成り、過大状態の領域が幽界と成ります(図13 )





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